大会最年少となる17歳での予選通過を果たした石川遼

otasukegaido2009-08-16


大会最年少となる17歳での予選通過を果たした石川遼

チャンスは残った。石川が通過ラインぎりぎりで初のメジャー決勝進出。「夢がかなってうれしい。いい経験になる」。17歳は率直に喜んだ。
 「最後の最後まであきらめずに攻めようと思った」と言う。当落線付近にいると知り、残り2ホールとなった8番(パー3)で1メートルにつけてバーディー。「絶対に必要なところで取れたし、7、9番としっかりドライバーを打ってフェアウエーをキープできたのは収穫」と胸を張った。
 8ホール目の17番(パー3)で4パットのダブルボギーをたたいて暗転。背中も痛みだしてショットが乱れ、ずるずる後退したが、「気にすると精神的に影響する。(4パットも)そんなこともあったな、と忘れていた」。素早く気持ちの切り替えに努め、巻き返しにつなげた。
 石川自身は朝からのラウンド。午後の組が強風でスコアが伸びずに後退していく運にも恵まれた。もう失うものはないだろう。「中盤で体の切れがないときにドライバーを真っすぐ飛ばそうとし過ぎた。それは悔しいので直したい」。大会史上最年少で臨む決勝が、持ち味を発揮する舞台になる。


◇予選通過に“大人びた”石川

 「予選通過してからが本当の戦い」と言い続けてきた石川。予選ラウンドで着た派手な原色系と違い、落ち着いたチェック柄のパンツで決勝の舞台に上がった。いつもと変わらぬテンポでドライバーを振り抜き、打球の行方を見つめた姿は、どこか大人びていた。

 マスターズと全英オープン。これまで2度のメジャー予選落ちは「悔しさ」にあふれていた。ともに一時は予選通過の足掛かりをつかみながら、終盤のつまずきで暗転した。そして今回は「最後まで絶対にあきらめない」と心に誓った。

 予選ラウンドでは背中に痛みを感じていたという。2日目も後半は体が回りにくくなり、ショットも曲がり始めた。ただ、「(痛みを)気にし出すと精神的に影響する。気にしないように努めたら、最後は痛みもなくなった」。正念場で踏みとどまったのは、悔しさを糧に自らの心のありようを制御するすべを覚えたからだ。

 「今の僕では、この(メジャーという)レベルでは通用しない」と、経験と技術の未熟さは十分に自覚している。「それでも、世界のトップと回ることでいい経験ができる」。決勝ラウンドでは2、3番で続けざまにバーディー。4、5番のボギーでスコアはスタート時に戻したが、新たな経験がまた、石川を一回り大きくするのは確かだ。




石川遼

生年月日 1991年9月17日(17歳)

出身地 埼玉県北葛飾郡松伏町

身長 174.0cm

体重 68.5kg

血液型 O型

利き手 右

経歴 杉並学院高等学校在学中


石川遼「調子はこれ以上ない